大人の不安は大人の問題―令和版「肝っ玉母さん」のススメ

こんにちは!

ヤマシタ塾の山下です。

先週は高校生になった卒塾生たちが塾に挨拶しに来てくれたり、高校での勉強の進め方について相談のメールを送ってきてくれたりと、改めて、新年度が始まったんだなと感じた週でした。

塾に挨拶に来てくれたAくんは受験が終わるまでの半年間で私に10回くらいブチ切れられて3回くらい大泣きした子(理由はもう本当にしょうもないんですが…)。入塾当初は「there」と「these」と「their」の区別がつかず、間違えるたびに「ぜあああああああああーーー!!(there)」、「じぃぃぃぃぃぃーーーず!!(these)」、「ぜぃやああああああーーー!!(their)」とか、どこのスパルタ道場だよみたいな叫び声をあげている(もちろん他の生徒が誰もいない時)ような絶望的な状況から近年まれに見る大逆転合格をつかみ取りました。

高校での勉強の進め方について相談のメールを送ってきてくれたBくんは初めて会ったときにはすでに10月でした。だいぶ出遅れていた、というかふつうならもう無理じゃね高校行く気あんの?というで出遅れっぷり。ただ、超ヤバいという状況は本人にも自覚があったようで、まだ体験授業もしていないのに「ここで頑張らせてください!」ということでご入塾。見事志望校に合格したのですが、そこからが凄かった。受験が終わってからも3月末まで週6で塾に通い続けるという勉強の鬼になりました。よく鼻血を出していたのは勉強のやり過ぎによるものだったのかもしれません。高校生になっても引き続き鼻血が出てしまうくらい勉強を頑張ってほしいと思います。

こんな感じでいろいろと訳アリ(と言ったら失礼?)なこの子たちの保護者の皆さま、わが子を信じて辛抱強く待っていただき、本当にありがとうございました。結果がなかなか出ない日々は、不安でいっぱいだったことでしょう。

さて、新年度です。当塾の新中3たちはどうでしょうか。

『受験生自習、スタート―受験期後半に伸びる子は、自分のことをよーく分かっている子』でも書いたように、当塾の新中3たちは3月から自習がスタートしています。「自分と向き合い、自分で考え、自分で自分のことを成長させる力」を身につけさせることが目的なので、私からは特に指示は出していません。私からは「6月の模試に向けて、自分に必要なことをやるように」とだけ伝えてあります。しかし先週くらいからどうも様子がおかしい。

先に進み過ぎている…

模試の出題予定表を改めて渡したところ、出題予定表をしばらく眺めるとバタバタし始めた。どうやら気が付いたらしい。問題集と参考書の目次と出題予定表を突き合わせながら、軌道修正をしている様子。「習っていなくても自分で調べて進んでいく」という当塾の教えがしっかりと身についていることに関してはとてもたくましいなと思う一方で、まだまだ緻密さが足りません。

自学自習力とは「目標を定め」、「いつまでに」、「何を」、「どこまでやるか」を考えながら勉強する力のこと。自学自習は言い換えれば「狙いすました勉強」のこと。好きなように勉強しているだけでは自学自習とは言えない。考えなしに好きなように勉強しているだけでは結果が出た時に「なぜ結果が出たのか」、「なぜ結果が出なかったのか」、「次に向けて何をすべきか」が見えてこない。大きな目標に向かって突進するのではなく、小さな目標を一つずつクリアしていくことも忘れないように。

そんなことを新中3たちには伝えました。

まあ、想定の範囲内です。というか予定通りです。最初から正しく自学自習ができる中学生、最初から自分の実力や自分の勉強のやり方を客観的に評価できる中学生なんてほとんどいませんから。引き続き、焦ることなく時間をかけて、じっくりとサポートしていきたいと思います。

4月1日の朝日新聞朝刊の教育面の記事の中で「大人の不安は大人の問題」という言葉が目に入って、ほんとにこれだよね、と思ったので少し(長くなりそうだなあ)

成績を上げるためには様々な要素を全部揃えないといけません。それには時間がかかります。ですが入塾してからまだ1か月や2か月しか経っていないのに、「次の定期テストまでに成績を上げてください。でなければ塾辞めます」と短期間で結果を求める保護者の方(そんな方は当塾にはいませんが)にたまにお会いするのですが、もしかしたらそれは子どものためではなく、「子どもの成績に不安になってしまっている自分を早く救ってほしい」というだけなのかもしれないなと、朝日新聞のこの記事を読んで思いました(またまた勝手に偉そうなことを言っていることをお許しください)。本来であれば保護者自身で向き合わなければいけない問題を、子どもや塾を使って解決したいだけなのではないかと(これはさすがに言い過ぎですかね…)。

気持ちは分かりますが、とは言え成績を上げるためには様々な要素を全部揃えないといけないので時間がかかります。しかも相手は中学生ですから、生身の人間ですから、我々大人が思うように動いてはくれません。そんな甘くはない。でもそれは、まだ小さいながらもちゃんと自立の芽が出ている証拠でもあります。失敗してほしくないという思いが暴走してあれをやれこれをやれと過剰に干渉してその芽をぐいぐい引っ張ってしまうとせっかくの芽がちぎれてしまうので注意が必要です。

最後の最後でグワーッと伸びて合格をつかみ取った子の保護者の方は、「あの子全然勉強しないんですよ~。一体どうするのかしらね~」のように、子どもの問題は子どもの問題として冷静に判断できていた方がほとんどです。そういうご家庭のお子さんは皆、伸び伸びと勉強をやっていましたね。逆に目先の点数にいちいちわが子以上に一喜一憂狂喜乱舞し子どもを責め立ててしまう保護者のお子さんは皆、委縮してしまっていて「親に怒られたくないから」という理由だけでなんとか勉強をやっているような感じで、その多くは途中で塾を辞めてしまうことが多かったですね。

待てる親と、待てない親

親の肝の据わり具合は子どもの学力に大きく影響する、のかもしれません。

私はこんな仕事をしておきながら、と言うか、こんな仕事をしているからこそ、最強の勉強法は自学自習であると考えています。中1・中2で基礎学力と勉強体力をつけて、それをベースに中3で自立の芽をぐんぐん伸ばす。これが当塾の理想の形。めちゃくちゃ時間がかかります。保護者の皆さま、いや、肝っ玉母さん(父さん)たちのご理解あってこそのヤマシタ塾です。ありがとうございます。

自立の芽をぐんぐん伸ばすためには、自分で考えなければいけない時間だったり、大人から干渉されない時間だったり、試行錯誤する時間だったりが絶対に必要。だから当塾は授業だけではなく、自習もカリキュラムに組み込んでいるのです。

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このくらいが、一番子どもはよく伸びる。

最後に、自習を終えた新中3の問題集をパシャリ。

自立の芽が育っているようです。

これだから高校受験指導は、おもしろい!

どんな花が咲くのか楽しみです。

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