第一志望ではない単願推薦―それって、一番悲しくない?

こんにちは!

ヤマシタ塾の山下です。

今年度、根木内中学校では2学期中間テストは実施されないとのこと。

塾としては「やったー!」です。

定期テスト前はどうしても「定期テスト範囲の勉強」に多くの時間を取られてしまいます。しかし、その「定期テスト範囲の勉強」は必ずしも「その子にとって本当に必要な勉強」であるとは限りません。

学力を3階建ての建物だとすると、1階は中1内容、2階は中2内容、3階は中3内容となります。例えば、中2の2学期中間テスト範囲の勉強は2階を造るということになりますが、まだ1階ができあがっていない子がどうやって2階を造るんでしょうか?また、すでに2階まで完璧にできあがっている子にとって「定期テスト範囲の勉強」は無駄な時間でしかありません。

だから当塾のように、受験というゴールを見据えながら普段から勉強をコツコツやっている子たちにとっては定期テストの回数が減ることは「やったー!」なんです。

「人は自由を与えられたときに、差がつく」と以前にも書きました。今年度の根木内中は、6月下旬の1学期期末テストが終わると、次の定期テストは11月中旬の2学期期末テストです。4か月半の自由が与えられます。しかもその内の1か月は夏休みです。この自由な4か月半を「空白の4か月半」にしてしまうのはとてももったいない。

個人的には、学力格差がより広がると予想しています。

ただ、ここで言う学力とは入試問題を解く力のことであって、学校の定期テストの問題を解く力のことではありません。学校の先生はほぼ毎日生徒たちの様子を見ているので、生徒たちの学力がどのくらいかを把握しているはずです。これは単なる推測ですが、生徒たちの学力を把握しているからこそ、学校の先生は生徒たちの学力に合わせて定期テストの難易度を調整するのではないでしょうか。(そうしていると思わざるを得ない定期テストの問題をいくつか確認しています)

なので、この自由な4か月半をだらだら過ごしてしまったけど、定期テストの点数はそんなに下がらなかった、という子が出てくるかもしれません。そうなると学力は下がっているが、評定は下がらないということが起きてしまうのかなと。もしそういうことが起きてしまうと、評定に見合った学力がない生徒が増えることになります。

そういう子は中堅私立高校の単願推薦に流れる傾向にあります。別に中堅私立高校がダメだということではなく、単願推薦がダメだということでもありません。中堅私立高校でもとても良い取り組みをしている学校はたくさんありますし、その高校に本当に行きたいのであれば、単願推薦を選ぶことはむしろ当然です。

問題なのは「本当は公立に行きたいけど、気づいた時には一般入試で勝負ができる学力がないから私立でいいや」という「第一志望ではない単願推薦」を選んでしまうこと。これは本当にもったいない。私立高校の授業料無償化もそういう「第一志望ではない単願推薦」の増加に影響を与えるのではないでしょうか。

この時期は各高校の大学合格実績を見ることが多いのですが、同じ偏差値帯の公立高校と私立高校を比較したときに、公立高校の方が合格実績が良いな、と思うことが多々あります。私立高校には放課後講座や長期休暇講習など、予備校並みの充実したカリキュラムがあるのにも関わらずです。土曜日だって授業があります。もちろん、合格実績だけが大事だなんてことはありませんが、それはなぜだろうと思うことがあります。

理由はさまざまあると思いますが、その理由の一つに「第一志望ではない単願推薦」があるのではないかと思っています。

―子どもの意見の尊重

―やりたいことをやろう

大切なことだと思います。大切なことではありますが、果たしてそれは本当に子どもたちのことを思っての言葉かどうか、大人は考えなければいけません。子どもに嫌われたくないから、親からのクレームが怖いからという理由で、そんな綺麗ごとを盾にして子どもたちを野放しにしておいて、肝心な時には、はい、自己責任、という大人にはなりたくはないなと思います。

受験勉強というごくごく狭い世界での教育を行っているのが塾ですが、子どもたちの前に立つ者として、嫌われても良いから子どもたちの成長に責任を持てる塾人でありたいなと思います。

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